第47章.消費者天国の影(偽装列島) | 社会悪の発生源 「コンビニ」

第47章.消費者天国の影(偽装列島)

物品販売やサービスにおいて、消費者の要求を何でもかんでも受け入れていたらどうなるのか?


その最先端を走り、業界をリードしてきたのは紛れも無くコンビニであるが、最近その弊害が各方面において、次から次へと現れはじめている。


それが「食品偽装」。


某テレビ番組のコメンテーターは「信頼こそが利益への最も近道という事を、企業は再認識すべき!」などと言っていたが、よほどの悪徳商売人ならともかく、普通の商売人なら、そんな事は言われなくても重々承知のこと。

では何故、あのような事件があちこちで起こってしまうのか。


それは、コンビニ発信による、商売の「無節操化」にあるのです。

①価格競争

②サービス合戦

③新鮮さ、品質管理アピール競争

①には限界があり、②にしても結局どこも同じような形態になります。③もそれ程のインパクトは無いです。

しかし③は、実はとても危険な競争だったのです。


新鮮さをアピールする最も効果的な方法。。。それは例えば、本来10日間は食べられるものであっても、賞味期限や販売期限を3日間に設定し、品質管理を強調することです。

これを競い合うと、どうなるか?


より短い期限を設定し、最終的には、「作ってすぐの物しか販売しません!」という所に行き着くのです。

当然、その裏側では、大量の商品が廃棄される事になります。


消費者にとっては良いこと、この上ないですね。


しかし、こんな状況でメーカーや販売店は成り立つのでしょうか?企業努力にも限界があるはずです。

もちろん、だからと言って偽装を肯定するわけではないですが、一連の事件は、すべてこういった背景が引き金になっているものと考えます。


食品として、何ら問題ない、まだまだ充分食べられるものを大量に捨てている社会。

コンビニが作り上げた今日の消費者天国は、まさにそんな社会の上に成り立っているのです。