第42章.閉店の理由
どのくらい前あたりからでしょうか?
閉店したコンビニの空き店舗が、携帯電話ショップや、学習塾、はたまたラーメン店に様変わりするのを、街で頻繁に見かけるようになったのは。。。。
このような光景を目の当たりにして、ごく普通の消費者は、
「あぁ、向うの通りに新しいコンビニができたから、つぶれたんだね。」
「あぁ、以前から、このコンビニは感じが悪かったからね。きっとそれが原因だよ。」
などと、たいていの場合その店舗の、経営不振が理由だと感じることでしょう。
しかし、それは大きな間違いです。
閉店していった、あるいはこれから閉店しようとしている多くのコンビニ店は、経営不振などという単純明快な理由でやめた、やめる訳ではないのです。
閉店の根本的理由は、「人間的生活の取り戻し」と
「人としての尊厳の確保」なのです。
もともと、24時間体制での店舗管理を夫婦で切り盛りするなどという事は、相当な精神的負担と体力的負担があるのです。
つまり、元来、相当な無理をしなければ成立しないのです。
アルバイト等の従業員の効率的な配置を理由に、本部の新規開発担当者は言葉巧みに誘導していきますが、はっきり言って、そんなに甘い物ではありません。
現にコンビニ加盟が原因で、離婚等の家庭崩壊につながった事例もたくさんあります。
消費者に対する過剰なサービスという、敷居の極低化によって、現場運営の店舗経営者がこの上ない負担を強いられているという現状があるのです。
一日も早く閉店して、楽になりたいというコンビニオーナーはたくさんいます。いやいやに、無理に続けているから、そのような経営内容にもなります。違約金の発生しない契約期限まで、惰性でやっているだけなのです。
まぁ、だからこそ、一般消費者の目には、経営不振で廃業というふうにうつるのでしょう。
何を隠そう、私も、そういうオーナーのひとりなのですから。。。。