第39章.節操がない
ここ何年もの間、売り上げの低迷が続いているコンビニ業界。
最近では、各チェーンが高齢者向けの品揃えや店作りを打ち出す方策を取りはじめている。
しかし考えてみれば、これまでの間、こういった年齢層には一切見向きもしなかった業務形態こそ、まぎれもなくコンビニであり、その代表格といっても良いくらいなのではないでしょうか。
私の店は、地域柄、ご近所のお客様のご家族の皆様それぞれによるご利用が多いのですが、コンビニ本部の推奨商品では、ご家族それぞれの年代に対し、満遍なく需要に応えることはできません。
むしろ、コンビニは効率を最優先しアイテムを出来る限り絞ること、つまり利用の多い層(若者層)の需要にあわせた品揃えを徹底することを、その手法としてきました。
ところが、ここへ来て高齢化社会という背景に手のひらを返したように、今度は高齢者をターゲットにしようとしているのです。
各方面の企業が、高齢者層にビジネスチャンスを期待して、参入する動きがあるようですが、コンビニの場合、これはいかがなものでしょうか。
これまで、コンビニが構築してきた営業スタイルが、そう簡単に老人対応型に成り得るのだろうか?コピー機すら、使い方が解らない方が多く存在する客層です。運営内容そのものを変更しようとでも言うのだろうか?
基本的にバイトでまかなうコンビニが、老人に対して細やかな配慮なんてできるのだろうか?
少し飛躍のし過ぎかもしれないが、老人を狙う犯罪者たちに対しても、ある意味「便利」を与えてしまうのではないか?
いずれにせよ、コンビニという営業スタイルはこれまでも、そしてこれからも犯罪の舞台になりやすいという現実を忘れてはならない。
「高齢者にやさしい店作り」などと、高齢化社会に向けて社会的貢献活動の一環のような、体裁の良いアピールをしながら、
実は、単に、人口的に多い高齢者層へとターゲットを変更したいだけなのです。
節操が無いのも、この上ないですね。