第38章.「非常識」の先駆者 | 社会悪の発生源 「コンビニ」

第38章.「非常識」の先駆者

コンビニの入り口付近に直に座り込んで菓子や弁当を食する若者の姿は、今や誰もが目にしたことのある光景と言っても過言ではありません。

また逆に言えば、これが現代社会におけるコンビニでよく見かける「風情」。。。などと表現してしまっても良いのかもしれません。

昔の小売店なら店主が即座に出てきて注意をしたことでしょう。と言うか、そんな場所でたむろする若者もいなかったのです。つまりこれもまたコンビニの産物と言えるわけです。

 

昔は、本屋さんで立ち読みをしていると、お店の人がそそくさとやって来て、なんともわざとらしくパタパタとハタキで掃除を始めるというのが一般的な光景で、言葉は無くとも「立ち読みご遠慮ください」ということをお客さんは感じ取り、立ち読みを終了する。今思えば、どこか懐かしく、なんとなくいい味がある、そんな光景でした。
ところが、今ではお客さんが購入したい本をゆっくり吟味できるようにという名目なのか、椅子まで用意してある書店が多くあります。ましてや「立ち読み禁止」などという雰囲気のお店は、ここ最近お目にかかったことがありません。実際、私も書店を利用するので、昔に比べれば相当便利になったと感じます。
でも、常に疑問を感じているのも否めません。


書籍は、その物自体の価値もさることながら、その内容に大半の価値があるわけで、特に雑誌なんかの場合は読み切ってしまえば、もう買う必要は無いのですから。


現在の本屋さんのスタイルしかしらない子供たちは、その辺のことをどう捉え考えているのだろうかと不安さえ感じます。
 そして、気づいていない人も多いようですが、これもまたコンビニが始まりだったのです。店舗の一番外側に雑誌コーナーを配置し、雑誌を読む人が店外から良く見え、賑わっているように見せるというのがもともとの狙いなのです。つまり「立ち読み」を奨励するような方策を初めにとったのは、まぎれも無くコンビニなのです。