第37章.地球にやさしい店づくり??? | 社会悪の発生源 「コンビニ」

第37章.地球にやさしい店づくり???

最近では、いろいろな分野で環境問題が叫ばれていますが、はっきり言いまして、コンビニは最も環境に悪い業務形態のひとつだと、私は考えます。各チェーン本部は、そういったことを世間一般、あるいは環境団体から指摘、批判されることを避けるためか、
「地球にやさしい店作り」というようなフレーズを頻繁に用いるようになりました。

しかし、実際の現場では何がどう「地球にやさしい」のか、と疑問に思うことがたくさんあるのです。現にそれを言うなら

24時間営業自体がすでに矛盾しているでしょう。深夜も昼間も変わらない入店客数があるような地域は別として、多くの店舗では入店の少ない深夜に、昼間と変わらぬ、あるいはそれ以上の電力を消費しています。地球環境や省エネを口にするのであれば、立地条件にかかわらず、チェーン統一で24時間営業というのも、実におかしな話なのです。
 
昔は、箸が添付(提供)されている商品と、そうでない商品がありました。当然、箸が付かない商品を買ったお客さんが、箸を必要とする場合「箸をつけてもらえますか?」と言わなければならず、その際、多少の不便さ、面倒さがありました。環境のことを考慮してなのか、現在では全のお弁当類から箸は外されています。その結果どうなったか。
 店員のほうから「お箸、お付けいたしますか?」と聞きます。箸の必要なお客さんは、頭をかるく縦に振ってうなずきます。
たったこれだけの違いが、お客さんの心に大きな変化をもたらしたのです。お客さんは以前に比べ、圧倒的に「お箸」をもらいやすくなったのです。
「三膳ちょうだい」「もう一膳ちょうだい」
関連性のない商品を買ったお客さんまでもが「箸ちょうだい」・・・。私の店の場合を見ても、結果的に箸の消費量はかなり増えました。

スーパーでは「買い物袋を持参しましょう」という運動を展開しているところを、よく見かけます。

主婦や年配のお客さんならともかく、男性や独身の若者の場合、なかなか買い物袋を持参する人は見かけません。買い物の量が少ないからと思われるかもしれませんが、それはあまり関係ないようです。

例えばパン1個と缶コーヒーを買ったお客さんが「袋はいいです」と言う確率はかなり低く、逆に「袋にお入れしますか?」などと聞けば怒鳴られる場合のほうが多いでしょう。それは、もちろん袋に入れろということです。「ゴミを入れるから袋をくれ」という人さえいるくらいですから。
すべてのお客さんが・・・、とはいいませんが、コンビニを利用する人々の多くは環境問題など頭にありません。いえ、もちろん普段はあるのかもしれませんが、少なくともコンビニで買い物の最中にそんな事を考えている人は「無」に等しいでしょう。

もしかしたら「地球環境問題」等の道徳感情をも麻痺させてしまう働きが、コンビニにはあるのだろうか?