第35章.「我慢」「辛抱」 | 社会悪の発生源 「コンビニ」

第35章.「我慢」「辛抱」

お盆や正月、昔はどこのお店も休みでした。最近では、コンビニの販売スタイルの影響と世の中の不景気とが相まって、大型店も元旦から営業するところが増えてきました。平日においても、大型スーパーが夜11時まで営業したり、中には24時間営業のスーパーまで存在するようになりました。本当に便利になったと思います。

一般的に人は(私も含め)一度「便利」を味わえば、もう二度と不便な状況に戻ることはしません。そして、それでもなお不便さを訴え、より一層の「便利」を追求するのです。でも、そのことによって、本来一番必要な「モラル」を無意識のうちに除外してしまっていると思うのです。例えば、「常識的な時間」という感覚も失われつつあります。「夜の11時は深夜ですか?」「若い女性の帰宅時間としては常識的ですか?」と聞けば「11時なら特に問題ないでしょう」と答える人々が増えているのではないでしょうか?こういった感覚、昔はごく一部の限られた人のものだった気がします。今では塾帰りの中学生が10時過ぎにコンビニに寄ってジュースを買う姿は、よくある「普通」の光景なのです。こうした時間帯に少年少女が気楽に出歩くことが出来るのですから、犯罪に巻き込まれたり、関与したりする可能性は、昔と比べ明らかに高いといえるでしょう。

このように、目先の便利にとらわれて、その裏側にある教育面での危険性には全く気づかないまま、コンビニは今日まで便利に向かって猪突猛進してしまったのです。
不便な時代は「我慢、辛抱」していたことも、

便利になれば「我慢、辛抱」する必要がなくなります

私が一番恐れているのは、現在の子供たちは「我慢、辛抱」することを身に付ける環境に恵まれていないということ。なんら「我慢、辛抱」の経験なく成長していく、そうした状況を考えると、街の一番身近な「便利」、コンビニのあり方を見直したほうが良い気がするのです。