第29章.「猿まわし」の猿
ライバルの猿回しは、サルに新しい芸を身につけさせた。お客にはとても好評だった。
それを知ったもう一人の猿回しは、では自分のサルにも、と、似たような芸を身に付けさせた。
お客には、まぁまぁウケた。が、しかし、やはり二番煎じでは・・・・、と思い、さらに新しいアイデアでもって客を喜ばせる為、サルに滑稽なポーズをとらせてみた。実にウケた!
ライバルの猿回しは、それに負けじと、更なるアイデアを出した。アクロバット芸を覚えさせた。客は驚き、こちらの猿回しは大繁盛!!
しかし・・・・サル達にも限界があった。いくらなんでも無理なものは無理。逃げるサルまで出てくる始末。
となると困ったのは、サル使いの方だ。さぁどうする??
まさに朝三暮四のように、あの手この手で引き止めるか。
山へ行って、何も知らない野生のサルでもひっ捕まえてくるか?
さながら、コンビニ本部がサル使いで、加盟店がサル、といったところでしょう。
もはや、昨今のコンビニ業界において、出店したい場所、営業できそうな物件(場所)はいくらでもあるにも
かかわらず、肝心な経営希望者が見つからない、というのが現状です。
そこで、経営委託方式などというやり方で、小資本(300万~400万)で独立オーナーになれるといったような歌い文句をちらつかせ、例えば独立夢見る定年間近のサラリーマンなんかが、食いついてくるのを待っているのです。
私が言いたいのは、せめて、コンビニ本部あるいは業界が、もう少し「猿」あっての「猿回し」というスタンスを守っていてくれたなら、あるいはそういう考えになってくれていたなら、コンビニもここまでエスカレートしなかったのでは、ということなのです。
猿(演技内容)が変われば、客(喜び、感動の本質)も変わる、これすなわち、世の中(社会)も変わる。