第14章.能力の退化促進
親戚の子が、この春から東京で一人暮らしを始めました。もう2ヶ月が過ぎました。女の子です。
ご両親は、一人暮らしに必要と思われる道具を買い与えたそうですが、その中でも実際には必要の無かったものがいろいろあるというのです。
炊飯器を代表とする、台所用品です。
コンビニまで500メートル弱の所に住んでいるので、食事関係はすべてそこでまかなえるからなのだそうです。
私がビックリしたのは、食器も使った事が無いということ・・・。考えてみれば、確かにコンビニの弁当と飲み物で食事を済ませているのなら、必要ないかもしれませんが・・・。
箸も、コップも、まな板も、包丁も、必要なし。。。。
この子はコンビニが無くなったら一体どうなってしまうのだろう。
女の子なんだけど、将来は結婚して家庭を持つであろうに、大丈夫なのだろうか。
栄養のバランス等を考えたら、健康は維持できるのだろうか。
つまり、コンビニの存在が、人が人として生活を営んでいく、生きていく為の様々な能力を知らず知らずのうちに退化させてしまっているのです。
コンビニが無ければ、この子はおそらく、最低でも週の半分は自炊をしていたことでしょう。
「自炊」、ただそれだけの事が、この子にとって、いろいろな面で、いかに重要であるかということを、世の人々にもう一度考えてみて欲しいのです。