第6章 コミュニケーションの変化  | 社会悪の発生源 「コンビニ」

第6章 コミュニケーションの変化 

昔、個人商店のおばちゃんが、近所の子供たちの名前や、家族構成まで知っていて、
「あらっ!〇〇くん、ちょっと背が伸びた?」
「久しぶりだねぇ△△ちゃん、あんたの好きなお菓子入ってるよ!」
「今年は受験生だねぇ、がんばってね!おばちゃんも応援してるよ」
といった感じの言葉をかけて、子供たちとコミュニケーションをとる光景は、ごく一般的なものだった気がします。


今では、そうした店も随分と減り、子供たちもそんな言葉をかけられる店に行くよりは、コンビニに行ったほうが気楽に買い物ができるという子がほとんどでしょう。そのこと自体をとやかく言うつもりはありません。ただ、昔は個人商店も地域におけるコミュニケーションの場のひとつだったという事なのです。

言葉を交わして伝わることは、その言葉の内容だけではなく、その言葉を発した人の人格や思い、機械には無いあたたかさ、だと思うのです。


私が子供の頃には確かに存在した、いろいろ話しかけてくる近所のおばちゃん、またそういう人がいるお店、今では本当に見かけなくなってしまいました。コンビニの影響力は、そうした見えないところにまで波及しているのです。

それに付け加え、最近ではインターネットの普及により、メールやWEB上の掲示板といった、これまた相手の表情や姿が見えないところでのやりとりが、自分以外の人間との最も日常的な接触機会のひとつになっているのです。つまり、コミュニケーション自体が変化してしまったのです。まさに火に油を注ぐとはこの事でしょう。なぜなら、子供たちはそんな社会で日々成長しているのですから。悪質な少年犯罪が急増し、その中でも私たち大人が理解に苦しむような罪を犯してしまうような小学生までが出てきてしまったことは、本当に深刻な問題だと思います。