第4章 青少年の健全育成? | 社会悪の発生源 「コンビニ」

第4章 青少年の健全育成?


 青少年の健全育成条例とやらで、コンビニの雑誌コーナーには「成人向けコーナー」という仕切り板で分けられたコーナーがあります。


昔は、食品小売店でその種の雑誌を扱うお店は限られていたし、仮にあったとしても中高生が閲覧するには相当な勇気が必要でした。つまり条例など無くとも、自然とそういった環境が整っていたのです。


お酒やタバコの販売においても、「未成年者には販売しません」といったステッカーや張り紙が店内随所にみられます。逆にいえば、これまでの間、それほどまでに老若男女すべての人が何でも買いやすいお店の形態を構築してきたと言うことなのです。

今になってそれに気づき、焼け石に水のようなやり方で、対応したところで何ら改善はされないでしょう。それでもって、販売したお店の経営者が罰せられるのですから、私たちは悲惨としか言いようがありません。


何でも買える場所を提供しておいて、あれはダメ、これはダメというのも大人の勝手な理論で、子供たちもある意味悲惨と言えるでしょう。
コンビニの店内は、それほど「理」にかなわない事柄や現象であふれ返っているのです。

本当の意味で青少年の健全育成を考えるのなら、コンビニの販売スタイルの抜本的な改善が必要でしょう。長時間営業によるアルバイト主体の運営、これが青少年にふさわしくない商品の購入をしやすくしています。万引きの増加も同じ要因と言って良いでしょう。防犯カメラの設置されていない個人商店よりも、最新の防犯設備の整っているコンビニエンスストアのほうが、彼らにとって万引きしやすい場所になってしまっているというのも実に皮肉な話です。

便利になりすぎてしまったコンビニが、もう一度、本来の小売業に戻ることが、実は青少年健全育成の最良の方策なのです。