第2章 「ゴミ箱」にみる社会の変化 | 社会悪の発生源 「コンビニ」

第2章 「ゴミ箱」にみる社会の変化

私の店は駅前通りにあります。店の前に置かれたゴミ箱は人々に、より一層の「便利」を提供しているようです。


出勤、あるいは登校の際、持ち歩くのに恥ずかしくない程度のビニール袋に家庭ゴミや不要品を入れ、家を出るのでしょう、

店の前を通るついでに実に手際よく、表情一つ変えず当たり前のようにポイポイとゴミ箱へ。ものの30分足らずで、ゴミ箱はほぼ満杯状態になります。昔の小売店時代にはありえない現象です。
 

国や自治体がゴミの処理方法や分別の仕方等を厳しく指導する一方で、コンビニのゴミ箱は、気楽に、極端に言えば無法的にゴミを捨てられる「便利な箱」になってしまっているのです。元来、店舗前や自動販売機横等に設置されているゴミ箱は、どんな理由で、またどんな目的で存在するのでしょうか?少なくとも現状のような利用のされ方を前提としてはいなかったはずです。しかし、いつの頃からかゴミ捨てにたいするモラルの低下に拍車をかける役割を、「コンビニ」は担ってしまっているように思えてなりません。

最近は公共の施設にはゴミ箱を設置していない所が増えています。高速道路のサービスエリアも家庭ゴミの持込に頭を抱えています。もし、そうしたゴミを捨てる人たちに少しでも罪悪感があるのなら、まだマシなのかも知れません。でも本当に怖いと思うのは、こうした行為が当たり前のように行われ、それを見て育つ子供たちは、それらを悪い事と認識する環境、機会が与えられずにいることです。